本記事ではこのように考えている人に向けて、「NFT取引でかかるガス代【OpenSea編】」を説明していきます。
この記事を読めば、出品者、購入者が支払わないといけないガス代がいくらなのかが分かります。
それだけでなく、ガス代が発生するタイミングやガス代を1円でも抑える方法も知ることができます。
NFT取引の1つの壁となるのが、このガス代。
何も知らずに取引をしてしまうと高額なガス代を支払わないといけなくなるかもしれません。
そうならないために、取引前にガス代について知っておきましょう。
この記事で分かること
- ガス代とは何か
- ガス代はいくらくらい?
- ガス代のかかるタイミング
- ガス代を安く抑える方法
それではさっそくいきましょう。
ガス代とは?
ガス代は、イーサリアムのブロックチェーンなどを使用して取引をした時に発生する手数料のことです。
ガスと聞くと、日本では気体を思い浮かべるかもしれませんが、ガソリンのことです。
ガソリンがないと車が走らないように、ガス代がないと円滑で安全な取引が行えなくなります。
なぜガス代が必要か
ブロックチェーンは、そのネットワークで過去に行われた取引を全て記録してます。
そして、記録する時は本当にその取引が正しいのか認証作業(マイニング)をしないといけません。
この認証作業をしてくれているのが、「マイナー」と呼ばれる人たちで、ガス代は主に彼らへの報酬として支払われています。
現在のガス代はいくら?
ガス代は常に変動しています。
取引量が集中すると高額になり、少ないと安くなります。
さらに、ガス代の支払いに使うイーサリアム(ETH)も安定しているわけではありません。
だから、「ガス代は○○円!」と言うのは難しいです。
ガス代の計算方法
とはいえ、現在のガス代は計算で導くことができます。
ガス代の計算式はこちらです。
ガス代の計算方法
ガスリミットはガス代の上限値のことで、引き下げると取引が遅くなったり、承認されなくなったりします。
ガスプライスは、1GASあたりの価格で、常に変動します。
単位は「Gwei(ギガウェイ)」で「1Gwei=0.000000001ETH」です。
ガス代の計算例①
では、1つ例を紹介します。
この条件の時。
21,000(GAS)×20(Gwei)=420,000(Gwei)が最大のガス代になります。
では、これがいくらなのか日本円にしてみましょう。
1Gwei=0.000000001ETHなので、420,000(Gwei)×0.000000001(ETH)=0.00042ETH
2022年10月現在、1ETH=約200,000円なので、0.00042ETH×200,000円=84円がガス代ということになります。
ガス代の計算例②
2022年5月には過去最高のガスプライスとなり、一時的に6,000Gweiを超えました。
この条件で計算してみましょう。
もしその時にイーサリアム上でNFTの取引をしていたら、21,000(GAS)×6000(Gwei)=126,000,000Gweiとなります。
1Gwei=0.000000001ETHなので、126,000,000×0.000000001=0.126ETH。
2022年5月当時、1ETH=約360,000円だったので、0.126ETHETH×360,000円=45,360円がガス代になります。(たっか…)
現在のガス代の調べ方
現在のガス代は調べることができます。
「GasNow」では、現在~1週間前までの時間事のガスプライスを確認できます。
ガスプライスの価格変動の傾向を掴むのに役立ちます。
また、「ETH Gas Station」は、現在のガスプライスをピンポイントで知ることができます。
この2つのツールを使用するのがおすすめです。
OpenSea(オープンシー)でガス代がかかるタイミング
では次に、OpenSea(オープンシー)を利用した時、どのタイミングでガス代がかかるのか解説していきます。
NFT販売者側にかかるガス代
販売者(クリエイター)は以下のタイミングでガス代が必要となります。
NFT販売者側
- 【Listing】NFTを初めて出品する時(今は無料)
- 【Accept】オファーを受け入れる時
- 【Freeze metadata】凍結保存(IPFS)する時
- 【Transfer】エアドロップ(Giveaway)する時
- 【Lower Price】価格を変更する時
- 【Cancel】定額販売の出品をキャンセルする時
- 【CancelCancel】オークションをキャンセルする時
以前は、NFTを初めて出品する時もガス代がかかりましたが、2,022年6月から不要になりました。
No setup fees:
In addition to saving ~35% in gas fees for transactions, you will no longer have to pay a one-time setup fee to start using OpenSea. By removing the setup fee alone, the OpenSea community could save $120m each year.
— OpenSea (@opensea) June 14, 2022
メモ
トランザクションのガス料金を最大35%節約できるだけでなく、OpenSeaの使用を開始するために1回限りのセットアップ料金(=初出品時の費用)を支払う必要がなくなります。セットアップ料金を取り除くだけで、OpenSeaコミュニティは毎年1億2000万ドルを節約できます。
そのため、NFTを出品する際のハードルが下がりました。
ただ基本的に、イーサリアム上で何か操作をする度にガス代はかかってきます。
だから、むやみに操作をしない方がいいです。
1つの取引や操作につき、およそ0.005ETH~0.01ETHくらいだとお考えください。
NFT購入者側にかかるガス代
続いて、NFT購入者(コレクター)が支払うガス代です。
NFT購入者側
- 【Buy】NFTを定額で購入する時
- 【Convert】イーサリアムを別の通貨に変換する時
- 【Convert】別の通貨をイーサリアムに変換する時
- 【Offer】オファーをする時
- 【Cancel】オファーをキャンセルする時
価格はその時々で変わりますが、0.001~0.02ETHが目安になります。
NFTを定額で購入する時は、必ずガス代が必要なので覚えておきましょう。
OpenSea(オープンシー)でガス代を少しでも抑えるには?
では次に、ガス代を抑える方法を解説していきます。
ガス代を抑方法方法
- ガス代が安い時に取引する
- 処理速度を「低速」にする
- ガス代が安いブロックチェーンを利用する
1つずつ解説していきます。
ガス代を安く抑える方法|①ガス代が安い時に取引する
ガス代は常に価格が変動しています。
だから、安いタイミングを狙って取引をすることでガス代を抑えることができます。
「GasNow」では、1週間前までの時間帯ごとのガスプライスが確認できます。
- 高い時と安い時で5倍の価格差がある
- 平日よりも土日の方が価格が安い
- 深夜や早朝よりも日中の方が安い
調べてみるとこのような特徴があります。
このタイミングで取引をするとガス代を抑えられます。
ガス代を安く抑える方法|②処理速度を「低速」にする
OpenSea(オープンシー)では、処理速度を以下の3つから選ぶことができます。
Low(低速)に設定すると、処理速度は遅くなりますが、ガスプライス(Gwei)が下がりガス代を安くできます。
急いでいない場合は、「Low」に設定して取引をするといいです。
ガス代を安く抑える方法|③ガス代が安いブロックチェーンを利用する
OpenSea(オープンシー)ではイーサリアム以外でもNFTの取引はできます。
Polygon(ポリゴン)は、イーサリアムのガス代の問題を解消するために作られたイーサリアムのサブネットワークです。
そのため取引ではイーサリアム(ETH)が使えます。
イーサリアムに比べたらはるかに安いですが、現在はガス代が若干かかります。
というとそうでもありません。
なぜなら市場の大きさがまるで違うからです。
NFT市場はイーサリアムが圧倒的に強く、NFTの数が多く、人気のNFTはイーサリアムに集まっています。
確かにガス代を抑えられるのは大きなメリットと言えます。
しかし、市場が小さくなってしまうため、出品者だと買い手が見つからない、購入者だとお目当ての作品が見つからない、というデメリットもあることを覚えておきましょう。
まとめ:ガス代を甘く見ない!
さて今回は、「NFT取引でかかるガス代【OpenSea編】」ということで解説してきました。
ガス代はイーサリアム上で取引を安全に行う上で欠かせないものではあるものの、高騰するリスクもあります。
取引をする時は、NFTだけでなく、ガス代にも注意を向けて、なるべく損をしないようにしましょう。